活動報告

第76回全国都市問題会議参加

10月9日、10日の2日間、高知市で開催された全国都市問題会議に参加してきました。今年は「都市と新たなコミュニティ」というテーマで、希薄化する地域社会の中で各地域のかかえている課題や地域コミュニティ形成の取組の事例などが報告されました。

初日には、まず地元高知出身の直木賞作家山本一力氏の基調講演がありました。少年時代から新聞配達をされて自ら生計を支えていたお話やアメリカでの体験から今の日本社会を対比させ、あまりにも過保護になりすぎて、本来問われるべきはずの自己責任の意識が薄れていることを述べられていました。とてもわかりやすいお話で説得力があるものでした。

また基調講演のあと地元の高知市の岡崎市長から主報告、そしてコミュニティ政策の専門家の方などから一般報告がありました。
その中で高知市では「市民と行政のパートナーシップのまちづくり条例」を策定し、単なる助成(財政的支援)にとどまらず市職員が各地域のまちづくりパートナーとして市民と一緒になって住みよい高知の実現のために地域活動に参加していることが紹介されました。
行政ができないことを地域に丸投げするのではなく、また市民も行政に何でも頼るのではなく、一緒になって地域の課題を考え、計画を策定する。そしてその計画に基づき事業運営し、見守り委員会によって適正に事業運営されているかチェックするなど、協働のまちづくりの一連の仕組みが紹介されました。
その他、まちづくりファンドや防災士の資格取得を後押しするため研修を支援し約400名の方が誕生したお話など、高知市をあげて人づくり、まちづくりに積極的に取組まれていることに感動いたしました。

また2日目には東京都三鷹市、福岡県宗像市の事例、防災の専門家や福祉分野で活躍されている専門家を交えてのパネルディスカッションが行われました。
大学教授である山崎亮氏が進行役となりましたが、テーマ型コミュニティと地縁型コミュニティのお話をされたときに、地域おこしやまちづくりのスペシャリストである山崎亮氏であると気づきました。そしてパネルディスカッション終了後、津波避難タワーなどの現地視察となりました。

パネルディスカッションの会場の様子
総工費約1億3700万円の津波避難タワーの強固な骨組み
五台山から望む高知の市街地、昭和21年12月22日の昭和南海地震ではその市街地は浸水して一面が海となってしまった。

私は地域の皆様とともに土地区画整理事業に関わり、15年間の歳月をかけ新たな市街地が誕生することになりました。次のステップとして、どのように新しいまちのコミュニティを形成していくかが、最重要課題であると認識しておりました。まさに私にとってタイムリーな内容であり、本当に有意義な研修となりました。