活動報告

犯罪被害者支援県民公開講座に参加

本日は、川口総合文化センタ―リリアで開催された犯罪被害者支援県民公開講座に参加しました。
犯罪被害者の救済については、今から36年前に映画化された『衝動殺人、息子よ』で被害者遺族の苦しみや犯罪被害者給付金制度の実現までの苦難の道のりが描かれていたことを記憶しております。
しかし、犯罪被害者給付金制度という公の経済的支援以上に犯罪被害者やその遺族に対して、周囲にいる市民が社会の一員として一緒になって考え、そして思いやりをもって支えていくことが重要だと考えております。

本日の講座は、川口市犯罪被害者支援推進協議会と公益社団法人埼玉犯罪被害者援助センターの主催で行われ、第1部では平成17年に息子さん(当時、小学4年生)を交通事故で亡くされた町田久美子氏の「命の大切さと被害者支援について」の講演がありました。
また、第2部では左手のピアニスト智内威雄氏の「心に響く命の音」と題し、トーク&コンサートが催されました。

第1部の町田氏の講演では、息子さんがまだ幼少の時に突然ご主人を病気で亡くされ、母子の絆で将来に夢をもって気丈に頑張っていた矢先に最愛の息子さんを交通事故によって奪われてしまったとのことで、その悲しみは、想像を絶する思いでありました。
事故は、玄関で「行ってらっしゃい」「行ってきます」と元気にあいさつを交わした5分後に、暴走してきた車によって、引き起こされたことでした。
息子さんを失って、絶望感の中で生きる気力をなくしていたと涙ながらに語られていました。しかし、それを救ってくれたのが周囲の方々の思いやりとあたたかい支えがあったからだと語られました。

正直なところ、どのような関わり方をして良いのか、わからない方が多いことかと思います。講演に参加して「頑張って」というひと言だけではなく、「何かお手伝いできることは、ありませんか」のお声掛けの大切さを知ることができました。また、それは他にも共通するものと考えております。

公的機関での相談体制やカウンセリングの充実は言うまでもありませんが、身近なところのあたたかい支えが不可欠です。いつ、誰が、どこで犯罪被害者になるかわかりません。殺人事件の件数は減少していますが、理由もなく、行き当たりばったりの凶悪事件やいじめ、ストーカー、性暴力など、許しがたい事件が後を絶ちません。

私自身もテーマである『命の大切さ』や『被害者も加害者も出さない社会』に向け、今、自分ができることは何かを考え、日々の活動をしていきたいと思っております。

なお、第2部の智内威雄氏の演奏は、とても左手だけでの演奏とは思えない力強い響きが、童謡の「ひらいたひらいた」「かごめかごめ」の冒頭から始まりました。曲の流れとともに身体全体に深く沁みるような感動を覚え、その余韻は帰途につくまで続きました。

本当に素晴らしい講演と演奏の場に参加させていただき、ありがとうございました。