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自助・共助

先日、ふじみ野市某所にお住まいのAさんとお会いし、安心安全な地域づくりや市民参加のあり方についてお話する機会がありました。
突然、Aさんから「谷さん、ちょっと見てくれる?」と案内されたのは、Aさん宅に隣接するアパートの駐車場でした。駐車場の一角には倉庫が建っており、「谷さん、これ何だと思う?」と聞かれ、私は正直なところ清掃用具入れかと思いました。倉庫を開けて“ビックリ!”災害時のためにペットボトルの水が大量に備蓄され、しかも購入日を記載して常に更新しているとのことでした。

災害時のためにペットボトルの水を大量に備蓄

災害が起こった時は、まず「自分の命は自分で守る」という「自助」が基本となりますが、自分のみならず周囲の人たちのことまでお考えのAさんの姿勢には、本当に頭の下がる思いでした。また、Aさんのこの取り組みが一昨年の東日本大震災以前から行われていると知り、まさに平時から「共助」を考え、実践している市民の一人であると感じました。

昔からことわざで「遠くの親戚より近くの他人」と言われていますが、いざという時には身近にいる人が頼りになるものです。平成7年に発生した阪神淡路大震災では、地震直後に約16万4千人の市民の方が、瓦礫の下敷きになり、そのうちの約8割の人が自力で脱出し、約3万5千人の方が生き埋めになりました。生き埋めとなった要救助者のうち近隣住民が救出したのは全体の8割にあたる約2万7千人で、警察、消防、自衛隊などの行政機関が救出したのが残りの2割にあたる約8千人であったと言われています。しかも生存率については前者が約8割、後者が約5割程度であったと言われています。
これは建物の倒壊、地割れなどで道路が寸断されている場合には、消防車や救急車などの緊急車両が現場に近づけないことや、同時多発的に災害が発生した場合には本来の能力が分散されてしまい、迅速な救出が困難になることを意味しています。
このことから私たち地域住民は、日頃から災害が身近に起こりうることを強く意識し、災害時にはどのような行動をとったらいいのか、防災訓練や救命講習などに参加して知識を深めていくことが肝要だと思います。
ふじみ野市では8月25日に第2回総合防災訓練が行われます。ぜひ参加していただき、この機会に避難ルートの現地踏査を行うといざという時に有効性を発揮することと思います。